9Mar
インフルエンザ脳症で入院したのが1月。退院したのが2月の初めころ。そして今は3月。正直、時間が経過している感覚があまりありません。
それって多分、「過去のことをあまり覚えていない」からなんだろうなぁって感じています。
実際はS4のエンジンはかからなくなったし、カレンダーの×マークは増えているし、外が温かいんですよね。雪が降る気配もありません。春が来てるんですよね。それがちょっと不思議に感じるんです。
退院してから週末を何度か過ごしているのは、頭ではわかっています。それなのに明日が退院して初めての日曜日にも感じます。すごく不思議な感覚です。
でも、最初のころはこんなことすらも認識できていなかったわけで、「少しずつ脳が回復してきているんだなぁ。」って実感があります。
ちなみに、こういうのを「見当識」っていいます。
今日は何月何日何曜日なのか。夜なのか、昼なのか、何時なのか・・・。そういう自分が置かれている状況を把握する能力です。
「今が3月だなんて当たり前だろう。」なんて思うかもしれませんが、その当たり前が、脳にダメージが入るとわからなくなるんですよね。
重症になると昼夜の概念もなくなるようです。幸い私は時間の概念ははっきりしています。でも過ぎ去った日の整理整頓がきちんとできていないようです。たまにごっちゃになります。
これが記憶の入り口となる海馬に傷をつけられた私の後遺症のようです。一時的に海馬に格納されている記憶が上手に引き出せないんですよね。
ただ、不幸中の幸いとして記憶が海馬から大脳皮質にまで移行できれば、きっちり記憶が取り出せるのも実感しています。意識して覚えようとすると覚えられますし、過去の記憶はしっかり残っています。入院中に自分史を書いてみたら、すごい膨大になりました。
海馬の傷をフォローするには、普段意識していない部分を、いかに大脳皮質に取り込めるようにするかがカギのようです。メモ書きを積極的に行い何度も見直すといいようです。仕事系のお話は全てメモを取り何度も見直していますが、こうすると以前と遜色なく行動できます。
逆に言うと、言われたことをメモせずに覚える。というのがめちゃくちゃ苦手な状態になっています。メモ帳は必須です。
厄介な後遺症だなぁと思いますが「そういう症状を持つ自分に気が付いた」というのは不幸中の幸いかなと思っています。
原因がわかっているのなら、それにふさわしい対策を取ればいい。偶然にもその対策を入院中から無意識のうちにやってきていました。(出来事をノートに記録する行為です。入院していた1ヶ月間で9冊のノートが書きあがりました。)
自分の症状に気がつくのが病状改善への第一歩です。(そう高次脳機能障害の本にも書いてありました)
すべては海馬に傷がつき記憶の引き出しかたが下手になったのが原因だとわかっています。(記憶力そのものが落ちたわけではありません)
MRIでは海馬の傷は消えています。これ以上、記憶を引き出す能力が低下することはありません。っていうか記憶力が改善している実感がありますから。
今後は集中的に改善して、また以前の記憶力を取り戻すだけです。もともと記憶力は良いほうではなかったのでゴールは近いかも。・・・っていうか実はすでにゴールしていたりして。
そんな風に自分を励ましながら毎日を過ごしています。お仕事をするのが最高のリハビリのようです。だからお仕事の依頼がとてもうれしくて、張り切ってお仕事をしています。あまりにも頑張りすぎるため「無理しすぎるとまた倒れる!」と嫁に止められるほどです。
ほどほどに休憩をはさみながら脳を治していきたいと思います。
明日は今日よりも状況が良くなっていますように・・・。
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